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風雲、扇風機

   

2003年はヨーロッパ中猛暑でした。ここリミニも暑くて死にそうだったので、ぼくは電気屋へ扇風機を買いに行きました。小さい18ユーロの扇風機でした。
家に帰ってセットしてボタンを押すとあ〜涼し。これでこの夏は大丈夫!と安心しました。
夜になって、家の一階部分だけブレーカーが落ちました。原因は家中の照明がついた状態でドライヤを使うとそうなるのでしたが、上階に住むこの家のスィニョーラは扇風機のせいだと決めつけてしまいました。
それ以来数週間スィニョーラとの関係が気まずくなりました。

 
次に住んだ部屋

 
ぼくが扇風機をつけてると「消しなさいよ!!」とわざわざ言いに降りてくるのでした。ブレーカはたびたび落ち、その度に口論になりました。ブレーカが落ちるもう一つの原因はブレーカ自体にありました。旦那のMはその事に気付いて、一度はぼくの味方になってくれたのですが、学校から電気代はもらってないと言われ、電気代を要求するようなことを言ってきたのです。学校に全部払っているので学校に請求してくれと言ったのですが、「あんたが学校に払ってないから学校は私らに払ってくれないのよ」と言ってぼくに支払いを要求するのでした。
隣部屋で同じ学校に通う美人Sが学校の先生や友達に言いふらしていたので、このことをよく聞かれ、ぼくは授業で扇風機を使用してはいけない理由を説明しなければなりませんでした。
   
この窓越しによく話した

   
ぼくはどうしようか悩み、部屋を変えてもらおうとある日、学校に相談しに行ったら、ちょうどスィニョーラが学校にぼくの事で文句をつけに来ていて、事務所の人がスィニョーラが帰るまで隠れているように言われ、午後は使用していない教室で隠れたこともありました。
ある日新しい生徒が家にやってきて、状況は変わりました。スィニョーラは生徒がみんな学校にすべての諸費用を払っていることを知ったのです。スィニョーラがその生徒に学校にどれだけ支払っているか細かく聞いたからでした。
その日以来、ぼくが扇風機を消していると「つけなさいよ!」と言いに降りて来るのでした。ぼくへの批判は学校への批判に変わり、どちらにせよぼくはスィニョーラの愚痴を毎日聞かされるのでした。
 
庭に生えてたアンズの樹、まだ青いです


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