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最初のルームメイト、Aくん

   
A君はロシア人でルームメイトで、もちろん酒飲みです。朝から晩まで飲んでるって感じで、彼は金持ちだが誰かに金を盗られて、国から送金してもらってもすぐに使い果たし、たびたびぼくから借金をする始末でした。結局貸し倒れになったけど。
お金が無いのでスーパーで1リットル0.8ユーロの紙パックに入ったワインを買い込んで、ぼくに夜な夜な飲酒を強要するのでした。そんな彼に嫌気がさしていたのですが、ぼくも毎日機嫌が悪いわけじゃなく、たまに酒に付き合ってやろうと思う日もありました。
そう思う日、彼と家で安もんのワインをがぶがぶ飲んで酒が無くなると、彼が「外へ飲みに行こう」と言い出すので、
 
この机で飲んだり勉強してました

 
ぼくは「外に飲みに行く金なんか無いだろ」と言うと、彼は笑って「あるよ!」と言い、ぼくが今日貸した50ユーロを取り出したのでした。ぼくは「その金はしばらくの食料代にしろ」と言ったのですが全く通用せず、彼は人懐っこい笑顔で「Non c'e` problema!」(問題ないよ!)と言ったのでした。
ぼくらは外出してビールを飲みました。そして彼の友人が宿泊しているホテルに行こうと言い出したので行ったのですが、ぼくはそのホテルのテラスで思いっきりゲロをしてしまいました。気まずくてその場に居られなくなったので、ぼくは独りで帰りました。しかし酔っぱらっていたぼくはどの方向が家なのか分からずに歩き出したので、ついに道に迷ってしまいました。真夜中でした。ぼくはまだ開いているバールの客に道を尋ね、かなり遠回りで帰っている事に気付きました。
   
夜のトリポリ広場

   
しかしやっと自分の居場所が分かったので、安心して帰ってました。その帰り道の公園で、何と、彼と会ったのです!家からもホテルからも遠い場所で!
後から知ったのですが、彼は僕を必死で探しまわっていたらしく。一旦家に帰り、ぼくがいないので駅まで探しにいったけどいないので、その公園でしばらく待っていたそうです。そこにぼくが現れたので・・・ぼくは酔いも手伝って感動しました。
本当にムカつく奴だったけど憎めない奴でもありました。彼は仕事でひと儲けするつもりでイタリアに来たのですが、結局うまく行かずロシアへ帰りました。
 
彼と会った公園。いつも通学に使ってた


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